2010/10/29

ベイビー、あたしの舌はスウィングしないんだ


十月某日
職場の送別会、をいかがわしい中華料理屋にて。ビール好きのおばさま(飼い猫の名前が「エビス」と「ギネス」)に、「きのしたさ~ん!のんでぇ~!ほらグラスがあいてるわよ~!」と、(た、体育会系サークルってこんな感じか!?)と動揺するほど飲まされる。そんなわけで早々と酔っぱらったものの、自分の退職の挨拶だけは気合いで丁寧に(現職場のチーム感に励まされたことがすごく多かったので、とりあえず私は違う場所を求めて去るけど、残った人たちのテンションを下げたり、不安な気持ちにはさせたくなかったのでR)。若者チームで2次会、その後別口の友人と四文屋にて軽く飲み、頂いた寄せ書きを読みながら、帰りの電車でうえうえと泣く。さみしいなぁ。

十月某日
なんとなく借りてきた、鈴木志保『船を建てる』のあまりの名作っぷりに息ができなくなる。含蓄に富みまくりのお伽漫画。どうも耽美系って苦手で普段は読まないんだけど、作りこまれた完璧な物語が、登場人物のキャラクターっぽさですごくマイルドになってる。こりゃ素晴らしいなぁ。

十月某日
十数年(ダラダラと)続けたピアノのお稽古ごとを遂にやめることにして、そのレッスン最終日。かなり長い付き合いになる先生と、「最後だし、お母様見に来たりしないの~?」「いやーいくらなんでもそれはないですよー」「そうよねーあはは」なんて会話をしてたら、花束を抱えたうちの母親がまさかの登場(……!)「娘の思春期に付き合って下さってありがとうございました」と挨拶して帰っていった、、。予想外の出来事にすっかり調子が狂い、へろへろとしょぼい旋律を奏で、先生が「卒業証書のかわりよ」なんてプレゼントをくださって(帰宅して開けてみたら、可憐なハンカチーフ…としか形容できない超お嬢さんっぽい代物でした。キャー!)、「ありがとうございました」とわんわん泣いて、「さみしい」とごおごお泣いて、帰宅した。

母の発言じゃないけど、遂に私の思春期も終了を迎えた感じか!?・・・しかし冗談抜きに、今までのやり方ではうまくいかなくなる日々が目の前に迫ってきている予感がします。

2010/10/25

こすっからい



十月某日
ベンダ・ビリリ」を見る(ノーチェックで劇場に行ったら、偶然いとうせいこうのトークショー付きでした)。とても、面白かった・・・!音楽のドキュメンタリーって、「資料としては貴重なんだろうけど・・・???」と感じることが多いのだけど(私のリテラシーが足りない部分も多々ですが)これは本当に面白かったなぁ。今年は奇しくも「ソウルパワー」も見てるし、熱気あふれるブラックミュージックのパフォーマンスと、コンゴの人にとってあのフェスティバルが、ビリリのメンバーにとって音楽が、どれだけデッカいものかみたいな部分を大きなスクリーンで見れて良かったっす。鑑賞後、同行者と別れて一人ゴールデン街へ。長州力氏がバーテンをつとめる店で飲み、居合わせた初対面のお医者さんに「おいっ、医者ぁ!」と絡んだりするなど(目ん玉ひん剥いて♡)。

十月某日
友人と、玉子焼きとセロリの浅漬けだけで4時間というスーパーストイック飲み会。古事記の面白さを教わり、体は酒でヘロヘロだが、気持ちは新鮮な感じで帰宅。

十月某日
仕事終わりに七針へ。久しぶりの長谷川健一さん(既発アルバムには入ってない曲ばかりのレアセット!)に始まり、王舟(岸田さんとのデュオ…でしたが、彼のライブ見過ぎててバンド編成の状態を脳内で完璧に補完できてしまった。mmmやフジワラサトシの亡霊を見た感じ?)、カンパーニュ(噂のcore of bells+ju sei+totas causas de malignitatのメンバーによるユニット(←バンド名並べたら呪文のようになってしまった・・)コミックバンド感は勿論ありつつも予想以上に不穏でびっくり)、星ト獣(スッパバンド橋本さんのリーダーバンド。poet portraitsっぽくて好みです)と、全出演者ゆるゆる楽しみ、すごく満足。帰りの電車で、遂に完結した『シマシマ』を読み終わり、うるうるしながら帰宅(それにしても、この物語のキーワード「草食男子」ってのも、連載中の2年で聞こえ方がだいぶ変わったねぇ)。

2010/10/18

臨月みたいなカマキリ



十月某日
12月の星野源さん@キネマ倶楽部のチケットに当選

十月某日
華麗に有休、DODDODO+稲田誠のレコ発を兼ねた「Hold on Me!5」を見に行く(タイトルは「HOM」となってますが、今回は宮崎くんのソロ仕切り~。私がやるとこうはならん!っていうハイファイなブッキング)。

片瀬江ノ島駅ついて、まずはグリーンラベル片手に海へ。私が寄っかかってた柵のところに幼児がてとてとと寄ってきて、後ろから親御さんが「○○ちゃん、危ないよ」と声をかけてたんだけど、それがあまりにしつこいので、(ん?もしや危ないのは柵ではなく、黄昏時に一人でビール飲んでるあたくし…!?)と心がザワザワしたところでオッパーラに移動。下でエレベーターを待ってたら、遠くからスケボーを抱えた革ジャンの人がやってくる。もちろん(?)枡本航太さんだったので、とりあえず握手。

core of bells+杉本拓、鴨田潤、mmm+宇波拓+下田温泉+稲田誠、三沢洋紀新バンド(注:真夜中バンドとはまた別らしいです)、DODDODO+稲田誠、目をつぶって聞いてても、演者のツラが浮かんでくるような、全アクト非常に素晴らしかった!いいなぁと思った場面はいくつかあったけど、三沢バンドのラストでBeach Boysのカバーやりま~す!と「Pet Sounds」の1曲に「今日初めて江ノ電に乗ったよ~」と適当な歌詞をのせていたのが、自由でロマンチックですっごく良かったなぁ(三沢洋紀は、やはり圧倒的にヒーローだよなぁ)。なんとなく居合わせたみなさんと中華を食べて、満ち満ちた感じで帰宅。

一線を超えた話をしようよ


十月某日
仕事帰りに新宿へ。シャムキャッツ先輩と、最近知人から名前を聞いていたMOROHAとTHEラブ人間という2組が対バンするというので、こりゃ一度に色々楽しめて丁度イイ!と見に行く(ちなみに、2組を教えてくれた新宿タワレコのMさんも、漏れなく会場にいらっしゃった)。THEラブ人間が私は意外と苦手だったんだけども(なんとゆうか…亜流感を覚えてしまって…)、ライブが「今日は、みなさんに、これを言うために、新宿へ来ました・・・・・・・ありがとう!!」というようなMCで始まったので、横にいたバンドをやっている友人に、「君はこういうこと言わないね」と声をかけたら、「そうだね、当たり前だからね」と返ってきて、人それぞれのロジックにふむふむと思う。

十月某日
夜、ひどく落ちこんだ様子の友人より電話。少し話す。私になりに励ましをこめて真面目に対応したつもりだったけど、つくづく正論は人を救わないなぁと思う。

十月某日
清澄白河のSNACという場所(無人島プロダクションが移転したところ?)で行われた、WOSK presentsを見に行く。到着して中に入ると、丁度ル・トン・ミテ氏が演奏中だったんですが、私はどうやら同時期に来日中のライアン・フランチェスコーニさんと完全に勘違いしていたようで、「あ、あれ・・?ジョアンナ・ニューサムのバックにこんなおっさんいたっけ・・?」と10分くらい本気の動揺。そんなわけで全く前情報なく見た氏だったが、スカイブルーのカラーパンツからショッキングピンクの靴下をのぞかせたお洒落なハゲが、面白くていびつなボサノヴァを奏でてた。好き!

そして、この日のお目当てだったアキビンオオケストラ(やっと見れたーー!)。9人の野郎ども、そして9本のアキビン。自らパフォーマンスのことを「演目」と言っていたように、基本的にはミニマルな音のパターンとミニマルな動作の組み合わせからなる非常にシュールな内容ながら、たまに一斉に鳴らされる9つのアキビンのハーモニーがびっくりするくらい美しかったりして、カタルシスが“ころん”と着地する感じがした。ラストは「グミチョコレートパイン」とアキビンのコラボレートを会場外でやって締め。単純明快ながら、音楽の原点に立ち返るような場面がいくつかあって素晴らしかったですよ!江崎將史さんのリーダーっぷりも◎

ちなみに、清澄白河って遠いなぁ~とSNACまで行ったのですが、会場で隣の席に座ってた人が国立(くにたち)図書館の本読んでて(ちなみに「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」だった)、そうだよなぁ、みんな遠くからライブ見にきてんだよなぁと思いながら帰宅。

2010/10/10

it's a beautiful day はどこだ



朝霧JAMに行ってきました。

土日仕事のイライラがだいぶ溜まってきたので、「こりゃフェスにでも行って挽回するしかな~い!」と、フェススキル・ゼロ/アウトドアスキル・ゼロ/旅スキル・ゼロな人間なりに準備して行ってきたのですが、会場はもうどうにも太刀打ちできない豪雨で・・・(後で「フジ初年度と同じくらい辛かった」という声を聞きました)

テント張って、BBQして、neco眠るの演奏が遠くから聞こえてきたところで一度ライブを見に行ったのですが、道に迷い、ドブ沼の行き止まりみたいなところにたどりつき、とりあえず非難した飲食店で、暴力的ともいえる音量で延々ラテン音楽を聞かされたことにより心が折れ、その後はずーーーっとタープの下 or テント。「色んなものを燃やす」とか「キャンドルの溶けたろうでまた新たなキャンドルを作る」という遊びを5時間くらいしてました。

だんだんと寒くなってきて、火も途絶え、どよ~んとしてきた頃に、プリンス・トーマスの4つ打ちがどこかから聞こえてきたので
「まるで、他人事のようだねぇ」
「そうだねぇ」
「でも、音楽が聞こえなかったら、もっと寂しかっただろうねぇ」
「まったくだねぇ」
というような会話をかわし、音楽の存在に感謝。

翌日は転じてピーカンの快晴・・・でしたが、既に我々のヒットポイトはゼロ。ミラクルうまいお菓子ギンビスを美味しそうに食べてる写真を撮りまくったり、会場内散歩して、片付けして退散。何しに行ったの?と聞かれたら、「試練を受けに行った」と言おうと思います(^o^)


翌日、仕事。素ん晴らしい秋晴れの空のもと、いつもの通勤電車の中で「二度寝で番茶」を読んでいたら、しみじみ思ったよ。「私は、都市での生活が、好きだ」

2010/10/09

ガールスたちに幸あれ、俺にも幸あれ



十月某日
meso mesoちゃんがGutevolkさんのバンド編成参加するって話を小耳に挟んでいたのだけど、それがこの日のNESTでのライブだと前日に知り、急遽びゅーんと見に行く。この顔ぶれでは初めてのライブだったようで、まだ「バンド」「精鋭メンバー」「技巧派」のバランスがちと悪いかなぁと思いました(う~んと、どこを向いてるのかって話だ!)。また間をおいて、見てみたいなぁ。帰宅後、行きがけにBshopでなんとなく買ったEVERWARM(名前まんまですが)のカットソーを着てみたら、超暖かくて超感動して寝る。EVERWARM、この冬はキミに決めた!

十月某日
ファミチキばっかり食ってる荒んだ食生活ゆえ栄養が全然足りてない感じがガンガンしたので、慌てて定食をかっこみ、リキッドルームにトクマルさんのライブを見に行く。ライブメンバーにSAKEROCKの馨さんが復活(2年ぶりくらい?)。ベースが入ると目に見えてロックな質感になりまして、この日のイベント(DE DE MOUSEさん企画)にあっていたと思ったし、最近やっている5人編成はウェルメイドすぎるかなぁと個人的に思うこともあったので、この日の感じ、私はとても良いと思ったなぁ。定食パワーで体調も回復したので、友人らと道端で缶ビール飲んで帰宅。

十月某日
仕事後に、渋谷で『BECK』を見る。「翌日からの朝霧JAMへの気持ちを高めるため!」などと言いながら、内心はイケメンパラダイスくらいのつもりで行ったのですが、予想以上に楽しめた。水嶋ヒロの「うさんくさい帰国子女」役の似合いっぷりと、桐谷健太の好演(「花より男子」実写の道明寺役は彼が良かったかもね)、そしてエンドロールで知る演奏指導など協力ミュージシャンの面々でワイワイできただけで満足です。しっかし、「ウォーターボーイズ以降」というか、ジャンル映画(という言い方でいいのか?)が増えて、若手の俳優さんたちは課されるものが増えて大変よのう・・!

2010/10/05

海の深さを貝で計る


十月某日
最近メロメロになっている経済学者の飯田泰之さんの『脱貧困の経済学』を読み終え(流麗でおもろい喋りに「キャー!(はぁと)」となっている方で著書読みまくってるのだけど、対談形式のこの本は喋りのライブ感と近いものがあって面白かったなぁ)、メロメロしながら新宿へ行き、MARZにゲラーズなどのライブを見に行く。andymoriの演奏を聞いていたら、きゅっと締まった青年のケツのようだな!という感想が浮かび、自分の下衆な発想にがっかり。乍東十四雄はかーなり久しぶりにライブを見たけれど、メンバーが抜けたり入ったりの流動的な活動をしてきたここ最近の影響が見える幅広い曲たちを披露してて、屈託のない感じがおもしろいなーと思った。

十月某日
仕事後、若い女の子たちの飲み会にちょこっとだけ顔を出す。朝、an anを激読みして準備していったネタが無事にウケ、ほっとしたところでお先に失礼する。

十月某日
津島くんとホースの定例演奏会@キッドアイラックホールへ。前にホースを見た時が確か、ショートショートな曲たちを矢継ぎ早に演奏するようなスタイルだったのですが、この日はグットメロディーと苦笑の応酬の中にも、もう少しストーリーを感じさせる演奏(こちらの方が好きだわ!)。そして、途中にしかけられた、とある“仕込み”(・・宇波さん曰く「旧支配者の一人が紛れていた」?)がすごく利いてた!ステージがあるような場所だったら茶番にしか思えなさそうなものが、キッドアイラックだと誰もが自分におきた出来事と思えるような、共有の感覚に満ちてましたネ。テニスコーツは、またも知らない曲がもりもり増えていたし、久しぶりに「cacoy」(大好き!)も聞けて、ベリーベリー満足。ちなみに、最後の最後に知ったけど、一応この日は「バイババビンバ」epのレコ発だったらしいです。
http://hibarimusic.com/?p=492

あと、寒くなってきたので久しぶりに鬼ころしを飲みましたが、私のような「とりあえず酔えればいい」っていうC級の呑み助にとっては、やはり最高の飲み物ですねぇ。

祝!


西炯子先生の読みきりシリーズ『STAY』が新装版としてリニューアル発売されました(ここに収録されている「ふたご座の女」って話が私のベスト・オブ・ベストでだな、、、)

もちろん『娚の一生』の人気&評価の余波でしょうから、商業的な成功って素晴らしいなぁと私は改めて思いましたよ。