2012/10/24

9月13日


『PUS』6日目@水道橋イワト
山路智恵子(yumbo)/アニス&ラカンカ/ふちがみとふなと

●イワト4日目にして最終日。連日、同じ時間・同じ場所へ出向いていたので、既に「出勤」気分である。街に愛着が沸いてきた感もある。

●トップバッターに山路さんのソロ。yumboでの山地さんの、リズムをキープしたり、演奏を引っ張っていくようなポジションではなく、周りの演奏に耳を澄ませながら「どうかしら?こういう感じかしら?」と寄り添っていくドラムが大好きなのですが、この日はむしろそういう様子とは正反対の、破天荒な、“変な人・山地さん”を存分に楽しめた気がしました。基本的にはオーソドックスなドラムセットを使ったソロだったんですが、ライブ冒頭で会場に自作楽器が回され(お椀の中に何か小さな粒状のものをいれて布をはったもの?うろ覚え)、観客の皆さんはライブを見ながらそれを試し、演奏が止むと自作楽器の小さな音だけが「コロコロコロ………」と会場に響くという、、、どこまで計算されてるのか全然わからない(笑)。笑いをこらえるお客さん、大真面目な山路さん。

●次にアニカン。ルックス含め、あのオールド・アメリカンな雰囲気ってのがインパクトとして強いのだけど、曲をよーく聴いていると、むしろ日本語詞の曲はかつてのアイドル歌謡のような雰囲気があって、なんというか・・・とても“可憐”なの…!きゅんとしてしまいました。ふちふなは前夜とはうってかわり(笑)、いつも通りで、素晴らしいライブ。会場の隅にきゅっと小さくセッテイングし、2人を照らすピンスポットと、渕上さんのまっすぐに降り注ぐ歌がシンクロして(るように思えて)とても美しい。大好きなサイツの曲(音源になってないんだよねぇ)も聴けて、とてもとても嬉しかった。

●終演後は、山路さんのうどん販売にお客様の列が。おつりを用意してなかったため、まとめ売りを強行していたらあっという間になくなってしまいました。買えなかった方、ごめんなさい!私も改めて通販しようと思います。


この日の感想ツイートまとめはこちら。画像は金儲けの話をするmap小田と宇波拓。

2012/10/16

9月12日


『PUS』5日目@水道橋イワト
テニスコーツ/ふちがみとふなと

●リハがちょうど終わったくらいに会場に着くと、小田さんがニヤニヤしながら「今日はテニスだけ、ふちふなだけ、のライブはありません。ずーーーっと“テニスコーツとふちがみとふなと”です」と宣言。そ、そんなこと滅多にないよ……!とテンションが一気にあがりました。

●ちなみにこの日は、『PUS』全13公演中、唯一の完売公演。他にもたくさんのご予約を頂いた日がありましたが、人の入りの様子を見つつ、なんとか全てのお客さんに会場に入って頂いていたなか、この日は当日にお断りした方が複数いらっしゃいました。「実のところ、“チケット完売”状態が嬉しいのって主催者だけかも………」ということはよく考えるので、内心心苦しく感じていました。お断りしてしまった方、ゴメンナサイ!でした!

●「テニスコーツの練習は非常にスパルタである」という話は日頃からよく耳にするし、いつもおおらかな演奏を聴かせてくれるふちふなも、決してナチュラルボーンの存在でなく、丁寧に音楽を編み込んだ結果が彼らなのだ、と思う。そんなわけで、この日も事前に2組は可能な限り時間を取って練習を重ねたそうです。・・・ですが、緊張した雰囲気のなか2曲ほど演奏したところで、渕上さんが笑いをこらえながら「ひ、ひとつも練習通りにいかない、、」とつぶやいたのが、3時間余りのライブの雰囲気をすべて表していました。

●それぞれの曲を演奏したり、音遊びのような時間があったり、常に全員が音を鳴らし続けるでも歌い続けるでもなく、思い思いのペースで……素朴な3時間。コレを書いてる今現在(10/16)月日がたちすぎていて細かいディテールは覚えてないのですが・・・、凄腕のミュージシャンであり、いいトシの男女でもある(笑)4人が、“素晴らしい曲”ではなく、“音楽が生まれる瞬間”を心から楽しんでいたように思う。

●終演後、物販のCDたちがさーーーーーっとキレイになくなっていった。その日の内容がいかに来た人たちの胸に響いたか、これほどよくわかる現象はないんじゃないかな。幸福なことっす。


この日の感想ツイートまとめはこちら。画像は開場前の様子。さやさんが1人でピアノを弾いていると思ってたら、いつの間にかアコギの音が・・。足下で植野さんが寝てたらしい。

2012/10/10

9月11日


『PUS』4日目@水道橋イワト
中尾勘二トリオ/Alfred Beach Sandal/横川理彦+船戸博司


●全13公演を行った『PUS』は、小田さん、私がそれぞれブッキングしたり、2人で話し合ったり、他の方にお願いしたり色々だったのですが、この日のイワトは紆余曲折ありつつも、これまでなかった対バン……という意味では最も刺激的な内容だったのではないかと思います。

●中尾勘二トリオ、メンバーは中尾さん、宇波拓さん、古池寿浩さん。中尾さんが参加する数々のグループの中で唯一、“中尾勘二の曲を演奏する”ユニット(らしい)。ストラーダや、特に聞き慣れているNRQの曲が、管2本と宇波さんの流麗ギタープレイの編成で聞けて新鮮!という第一印象。そして、中尾曲に宿る灼熱のメロディ。ぐっと奥に潜めた情熱が燻る様に、むちゃむちゃ感動してしまった。

●Alfred Beach Sandalは、伴瀬朝彦さん、岩見継吾さんを率いた3人編成。このひと月前に七針で見たブルージーな弾き語りや、そこに遠藤里美さんが加わったささやかで素敵なデュオ、思わずガッツポーズしてしまうダンサブルなカルテットなど、現在のビーサンにおけるライブの充実ぶり、表情豊かさったらないわ! この日も、伴瀬さんのギターとピアノを軽やかに横断するナイスサポートありつつ、彼の曲のまた新しい一面に出会えた気がしました。

●横川さん+船戸さんデュオは、横川さんの曲を即興交えつつ2人で行うというもの。リラックスした様子でラップトップやヴァイオリンを触り、時には朗々と歌い上げる横川さん。演奏が盛り上がるれば盛り上がるほど、顔はニッコニコに、奏でるフレーズはえげつなくなる(笑)船戸さん。会場が小さいから、みたいな単純な理由だけではなく、2人が会話をするように演奏するのが手に取るように感じられました。あんなに純度が高くて、なおかつ親しみやすい“即興”って、初めての感覚だったかも。

●終了後、簡単な打ち上げ。酔っぱらいが多くて楽しい日でした。ご近所さんたちと総武線で帰宅。


この日の感想ツイートまとめはこちら。画像はイワトのおしゃれな椅子。

2012/10/04

9月10日:かなりJOY


『PUS』3日目@水道橋イワト
popo/うつくしきひかり


●この日から4日連続でイワトを使わせていただきました。

●会場に行く前にお腹をうめておこうと、ぱっと目に入った花まるうどんに入店。すると、19〜20歳くらいの男子たちがメニューを前に「いかに少額でたらふく食べるか」で真剣に悩み、あっという間に完食し、「ごちそうさまでした!」と元気に去っていった。こういう風景があるから、私は学生街が好きだなぁと思う。

●イワトにはこの日初めて行ったのですが、高橋悠治さんのために用意されたというグランドピアノ、決して広くはないものの天上が高くて解放感のある雰囲気、オーナー(素敵な女性でした)の気配りを感じさせる可愛い小物たち・・・すぐに気に入りました。むっちゃいいハコ、また使いたい!

●イワトでも受付をやってたのだけど、こちらがちょとした思いつきで用意した今回のイベントのスタンプカードを持参してくれる人が思った以上に多くて、ちょっとうるっとなる。みなさんが勝手に楽しんでくれている感じというか。有り難い。

●まずはじめにpopo。キーボードの持続音に、会場全体がじわーーっと浸食されていく感じ。あぁ、popoのライブが始まった!と思う瞬間です。ミニマルな展開、優しき音像に身を委ねていると、ときたま非常に刺激的な音楽的サプライズが待っている。聴くたびに「………悪い音楽だなぁ!」と興奮します。うつくしきひかりは、イワトの雰囲気ばっちりだった!中川理沙さんの豊かなピアノと、シラフさんのスティールパンが作る繊細な煌めき、そこに中川さんのノン・ヴィブラートの歌声が、これまたすーーーっと伸びていく感じ。。。美しかった。

●最後に2組による“popoつくしきひかり”(←これは勝手に呼んでるだけですが)の特別演奏。江崎さん&山本さん+シラフさんの3トランペットや、中川さんボーカルがのった“パンを買いに”を聴くことができました(贅沢ぅ〜!)



●終演後、勝手に怯えていたシラフさんと少し話す。中川さんが「大丈夫だよ」と教えてくれたから。


この日の感想ツイートまとめはこちら。画像は、江崎さんが物販で売っていた石。

2012/10/02

9月9日



「PUS」2日目@渋谷WWW
かきつばた/三田村管打団?/片想い/両想い管打団!


●なぎ食堂に寄って、フードの食材を両手に抱えWWW入り。

●今回の「PUS」の中で一番大きなキャパシティであり、個人で借りた中でも過去最大の会場だったので、正直………緊張しました!!(毎夜、収支の想像をしてガクブル&自分を奮い立たせたり・・)。しかし、蓋を開けてみると300人近いお客様に来ていただけて、感謝&感謝で終えることができました。ほわあぁぁ…(安堵)。

●この日、PAスタッフとして友人でもあるナンシーに入ってもらったのだけど、音響・舞台のスタッフに知人がいるととても心強い…!!私が門外漢というのもあるけど、機材のことがチンプンカンプンというのが、イベントやってて一番しんどい&トラブルに繋がりやすかったりする。気軽にコミュニケーションをとれる相手がいると、それだけで気持ちが全然違うなぁ……!

●トップバッターにかきつばた。ゆっくりライブを見たのは初めてかも・・。小田さんの言う「真の意味でのポストロック」を、私は「まだ名前のない音楽」と理解。とても新鮮な印象で聴くことができました。

●PA席の後ろから登場した三田村管打団?は、階段を下りながら演奏した小曲で一気に会場の心を掴んでしまったし(こういう雰囲気づくりはお手の物!)、WWWの会場でじっくりと見る片想いは、あの個性豊かなスーパープレーヤーたちの一挙一動を存分に楽しめて、めちゃ面白い! そして、両者共にこの後に控えるライブに備え、単体での演奏は割とさくっと終了。

●最後に、片想い+三田村管打団?=両想い管打団!を、もう、じっくりたっぷりと(実は事前にグッゲンハイム邸で共演した際のライブ音源をもらっていたのだけど、その姿に初めて触れるのはライブがいいなとお預けにしてたのでした。念願!)。手前に片想い、後ろのひな壇に三田村のメンバーがずらりと並ぶ。「栄光の夜明けを」という歌詞がのせられた“キネンジロー”や、豊かなフォーンセクション&コーラスで多幸感倍増の“踊る理由”を聴いていると、安易なコラボレートではない、合体バンドの名が相応しいなぁとしみじみ思う。個人的なハイライトは、名曲“旅行”。飛び入りゲスト・中尾勘二さんのトロンボーン・ソロにもしびれたし、曲中にはシンさん&オラリーの小芝居が…! 内容は1組のカップルが出会い、恋に落ち、家族をつくるというもので、ゲラゲラ笑ってしまうようなふざけた雰囲気だったけど、あの曲に宿る普遍的な美しさみたいなものを時間の経過で表現するというのが、ほんとーーーーに感動的だった。

三田村管打団_part2 from Masaki Yanagida on Vimeo.


●ちなみに、WWWの会場費を「“渋谷のド真ん中”っちゅうスーパー立地の良さの値段」と思っていたのだけど、実際に使わせてもらったら、場所代以上にスタッフさんによるものだなぁと感じました。こちらが不慣れななか、とても親切にしていただいた。ありがとうございました!

●あとこの日、物販スタッフをお願いした立原&まりこんの2人組が、非常に元気よく切り盛りしてくれたのにも励まされました。ありがとうよう。

●イベント終了後、軽い中打ち、ぱぱっと撤収、打ち上げでウーロンハイを1杯飲んで、さすがに疲れて先に失礼した。

この日の感想ツイートまとめはこちら。画像1:両思い管打団!(画像劣悪で失礼)、画像2:遊びにきてくれたBIOMANがくれたみょうがシール